合同合宿

セミナーのやり方

数物セミナーとはの頁をご覧いただければ、 数物セミナーでどんなことが行われているかを、おおまかにわかって頂けると思います。 ですが、大学に入学したばかりの一年生の方などには、そもそもセミナーを経験したことが無い方が多くいらっしゃることと思います。
ここでは、合同合宿で行われるリレー式セミナーのやり方および合宿当日までの流れを、 一年生にもわかるように説明することを目標とします。 セミナーに慣れていない人は難しいと感じるかもしれませんが、 はじめから完璧に出来る人はいませんので、このようなリレーセミナーに少しでも近づけるように準備、練習をして頂ければと思います。

学ぶ分野を決める
01
リレー式セミナーの趣旨
リレー式セミナーでは様々な分野を勉強する学生同士が1つの班に入り、セミナーを通して交流します。 ですから、極端に専門的であるような内容は扱いません。 高度な内容を議論する場合は、夜ゼミなどの時間を積極的にご利用ください。
02
合宿への参加申し込み
合同合宿にお申込みいただく際には、リレー式セミナーでどの分野を学びたいか、 合同合宿実行委員会が提示する候補の中からいくつか選んでいただきます。
上で述べたように、リレー式セミナーは交流を主眼としていますから、 普段はあまり触れないような分野を希望することも有意義かと思います。 (但し、学ぶために必要な前提知識についてはご注意ください。後述します。)
03
班の決定
応募の際に選んでいただいた分野の中で、実行委員会が調整を行い、班を決定いたします。 応募者が枠に対して多い場合は抽選を行い、 合宿の申込期間が終了してから1週間程度で、当選者に参加内定通知と班分け結果が届きます。 (できるだけ皆様のご希望に沿う形で配慮いたしますが、 後から班を変更することは出来ませんのであらかじめご承知おきください。)

教科書を決める
01
電子掲示板
参加内定通知メールには、班分け結果が記された参加者の名簿とともに、 合宿当日まで班員がやりとりを行うための電子掲示板のURLが記されています。 掲示板は班ごとに「スレッド」と呼ばれる区画に仕切られており、 参加者は各班のスレッドに意見を書き込むことで、班員に意見を表明することができます。 まずは自己紹介を投稿して班員のことを知りましょう。
02
教科書の決定
自己紹介が済んだら教科書選定に移ります。 班員で教科書の候補を出し合い、掲示板上で相談を進めてください。 次に述べる「担当範囲の決定」のことも少し考慮して決めると良いでしょう。 教科書を1つに定めずに、各班員が好みの教科書から発表する形式も可能です。
※過去に使用した教科書などの情報も公開する予定です。
03
担当範囲の決定
教科書が決定したら、各班員が教科書のどこを発表するのかを決めます。 具体的にどの章や節を担当するのかを重複の無いように決めると分かりやすいでしょう。 例えば、教科書の一部分を分担して集中的に扱う方法や、 各班員で興味のある部分を選んでオムニバス形式でセミナーを行う方法などがあります。 教科書を1つに決めない場合でも、全体の流れを意識するのか、オムニバス形式にするのか等、 やり方を考える余地があります。
教科書を読む
01
内容を理解する
本に書いてあることを音読することが発表ではありません。 セミナーにはしっかり準備して臨んでください。 まずは、書かれている内容を自分なりに理解しましょう。 ここでいう理解とは、人に本の内容を説明を要求されたときに、納得のいくような説明ができるような状態を指します。 分からないところは、関連書籍を参照したり、人に質問するなどして、 できるだけ疑問点を解消しておきましょう。
02
理解度を確認する
内容を理解したと思ったら、 本を見なくても、本に書いてある論理の流れが再現できるか確認しましょう。 特に数学書の場合、断片的にしか覚えていない部分があれば、 それを補完するためにどのような論理の流れが妥当であるか自分で考えてみましょう。 リレーセミナーの準備に使える時間は限られていますが、 この部分が達成できれば、合宿当日により深い議論を楽しむことができるはずです。
発表の準備をする
01
発表の具体的な方法
リレー式セミナーは基本的に教科書の内容に沿って進めます。 発表者は、教科書に書いてある事柄を中心に、担当範囲の内容を自分の言葉で説明していきます。 数学の場合は定義や命題およびその証明について、 物理の場合も実験事実や定義・仮定およびそこから導出される事柄・物理的意味について、 言葉や図を用いて論理的に説明してきます。 なぜ○○について××のように考えるのか、といった目的や動機づけを意識して発表できるように 自分なりの考察を加えたノートを作っておくとよいでしょう。
02
発表のペース
合宿のうちリレー式セミナーが占める時間は、例年およそ9~10時間です。 この時間を班員数で割った時間でおおよそ各自の担当範囲を発表することになります。 一度発表の練習をして、それが可能であるか確認してみましょう。 あまりにも速いペースで発表すると、班員が議論を追えなくなってしまいますし、 ペースが遅すぎると、なかなか話が進まなくなってしまいます。 適切なペースで発表するために、予め発表する内容に優先順位を付けるなど、 取捨選択しておくことが重要です。
03
プレゼミ
必要に応じて、事前にSkypeやGoogle+Hangoutなどを使用したゼミを行うことも良いでしょう。 前提知識について確認を行ったり、 あるいは、教科書の後半を扱うために、前半部分をプレゼミで終わらせるといった使い方が考えられます。
合宿当日
01
発表を聞く
発表を聞くときは、筆記用具を用意して、必要に応じてメモを取りながら聞くと良いでしょう。 疑問点や間違いなどはその場で指摘し、理解を深めましょう。
02
議論する
発表を聞いていて、物理的意味内容や幾何学的描像および論理構造の必然性などの解釈について疑問が生じたら、 どんどん班員と議論していきましょう。 人によって違った物の見方が出てくることもありますから、 積極的に意見を出し合い、有意義な議論を行ってください。
合宿終了後
01
自主ゼミの発足
合宿で扱いきれなかった内容や、まったく新たな分野で、合宿後に参加者同士でゼミを行う例もあります。 第9回合同合宿後の場合は、新たなゼミを企画して参加者を募ることができるように、 合宿掲示板を開放しました。