新入生歓迎!数物セミナー談話会in Nagoya 2012 概要

今回の談話会は、大学に入ったばかりの新入生の方が大学で学ぶ数学や物理学に触れ、これから始まる大学生活に向けて、モチベーションを高めてもらうことを開催目的の一つとしています。

新入生だけでなく2年生以上の方や既に学部を卒業された院生、社会人の方々の参加も大いに歓迎します。

 

日にち・場所

2012年5月13日 名古屋大学東山キャンパス理学部1号館1階109号室

タイムテーブル

12:00~ 受付
12:20~12:30 開会・挨拶
12:30~13:30 『断熱不変量ー解析力学から前期量子論、そしてプラズマ物理学へー』
山﨑 雅史(名古屋大学理学部物理学科2年)
13:30~14:30 『量子の世界を目で見るー電子状態理論と分子動力学ー』
市川 滉貴(早稲田大学先進理工学部化学・生命化学科3年)
14:30~15:00 『数物セミナー紹介』
15:00~16:00 『初等整数論概論』
平子 裕記(名古屋大学理学部数理学科4年)
16:00~18:30 ポスターセッション・交流

アブストラクト

断熱不変量ー解析力学から前期量子論、そしてプラズマ物理学へー

この講演では断熱不変量というトピックが各分野で担った役割について話します。断熱不変量とはゆっくりと変化する外部パラメータに依存する系で一定の値に保たれる物理量のことを指します。もともとは解析力学のトピックでしたがその後量子力学の前身である前期量子論で重要な役割を果たしました。今では量子力学の定式化の過程で断熱不変量自身の研究はあまり行われなくなりました。しかしプラズマ物理学の領域において複雑な荷電粒子の運動を解析する上で断熱不変量を用いることは極めて有効な手段であることが知られています。このように断熱不変量を通して物理学の様々な分野について話そうと思います。

量子の世界を目で見るー電子状態理論と分子動力学ー

量子力学の世界は、数学的、物理的に面白いですが、化学という応用面でも興味深く、日々研究がされています。その結果、今や私たちは、フリーのソフトを使ってエネルギーを計算したり、励起状態を調べたりと”遊ぶ”ことができます。
そこで今回は、量子力学の基礎とともに,量子物理と量子化学の関係、分子の状態の計算やシミュレーション方法、(化学と数学の意外な関係)を紹介して、シュレディンガー方程式の遊び方を紹介したいと思います。

初等整数論概論

整数論とは、人の心を熱くさせる現代数学の花形です。整数をいろいろな立場で調べることで、扱う分野や問題を考える動機が変わります。たとえば、素数を調べることは解析的な問題であり、Fermatの最終定理は代数的な見方です。
今回は、整数論における最初のところをまんべんなく説明します。
目標は「平方剰余」というもので、これが整数論のいろいろなところで現れます。
今回は例をたくさん出し、厳密な証明はあまり行いません。

アクセス

◇地下鉄名城線 名古屋大学駅下車 出口2 徒歩3分

詳細はこちらのポスターにも掲載されています。
冬の大談話会2011名古屋会場ポスター(PDF)