数物セミナー冬の談話会2013 in 埼玉
今回、埼玉大学にて数物セミナー談話会を開催します!講演者による特別講演の他、参加者同士のポスター発表などを通して懇談の場を設けます。 これから専門を深めていく学部1・2年生や、既に学部を卒業された院生の方々の参加も大いに歓迎します。 参加費無料・事前登録不要です。会場以外の大学の方も大歓迎です。ポスター発表を希望される方は、各自で印刷したものを直接持参してください。
日にち・場所
2013年12月1日(日)
埼玉大学 理学部講義棟 1番教室
Ustream配信のお知らせ
この談話会はUSTREAMで生配信しました。
『前期量子力学~プランクの公式と量子化~』と『モジュライ ~入門への入門~』および『20世紀の幾何学』の3つを配信しました。
タイムテーブル
11:00~12:00 | 『函数の分類』 佐伯滉耶(埼玉大学数学科4年) |
昼食(各自用意をお願いします。近くにコンビニもあります。) | |
13:00~14:00 | 『前期量子力学~プランクの公式と量子化~』 久保宗弘(埼玉大学理学部物理学科2年) Ustreamアーカイブ 発表スライド |
14:15~15:15 | 『モジュライ ~入門への入門~』 桑垣樹(早稲田大学先進理工学部物理学科4年) |
15:30~16:30 | 『20世紀の幾何学』 高橋光(早稲田大学先進理工学部応用物理学科2年) Ustreamアーカイブ |
16:40~18:30 | ポスターセッション・交流 (ポスター発表希望の方は、ご自分でポスターの用意を お願いいたします。事前連絡は不要です) |
講演アブストラクト
函数の分類
佐伯滉耶 (埼玉大学数学科4年)
微分可能な函数は連続であることは言えますが、連続な函数は微分可能であるということは一般には言えません。 しかしながら、連続性と微分可能性には近いものがあります。 今回は、連続函数を分類し、微分可能性を探ってみようと思います。
前期量子力学~プランクの公式と量子化~
久保宗弘 (埼玉大学理学部物理学科2年)
現代の物理での「量子力学」とは、実に様々な分野を含む学問です。
例えば、シュレディンガーによる波動関数により粒子の物理量を記述することです。
これは「完成された」量子力学と言えます。しかし、この背景にある、完成する前のボーアやプランクをはじめとする物理学者が提唱していた理論‐前期量子論‐
の存在も忘れてはなりません。
この過渡期にあった理論を通して「量子化」にたどり着くまでの経緯を探っていきます。
モジュライ ~入門への入門~
桑垣樹 (早稲田大学先進理工学部物理学科4年)
最近、机の引き出しで探し物をしていたら、幼稚園や小学校の頃に使っていた色鉛筆がでてきた。ふたを開けてみると、色の順番はばらばらである。ケースのふたに書いてある順番に従って並べ直してみる。
思い返してみると、幼稚園児だったときも小学生の時も、色の順番が少しでもずれていると、なんだかきもちわるくて、すぐに直していた気がする。周りの友達も、それは同じで、なかには48色もあるような色鉛筆を持っている子も、丁寧にグラデーションに並べていた記憶がある。なんだか不思議なことだが、みんながそうしている。
みんながそうしているのには理由がある。それはモジュライの心である。人間はみな、うまれつきモジュライの心を持っていて、その心の作用が色鉛筆を並べさせるのである。ただの色鉛筆の束ではだめなのである。グラデーションに並べれば、赤と橙、青と藍が近いことがわかる。赤と青は似ていないこともわかる。そしてなにより、グラデーションに並んだ色鉛筆は美しい。そんなモジュライの心はいかにして数学にあらわれるのか。その入門への入門を、今回、話したいと思う。
20世紀の幾何学
高橋光 (早稲田大学先進理工学部応用物理学科2年)
1854年、後に世界的に有名となる講義がゲッティンゲンで行われた。ベルンハルト・リーマンがその講義『幾何学の基礎にある仮説について』で提供したアイデアは20世紀の幾何学の根底をなすものであり、またこのアイデアによって空間といううややもすると哲学的な概念が、哲学や数学の問題ではなく物理学の問題であることを明らかにした。リーマンは新しい空間概念を「空間はアナログ量である」と考えて、微分幾何学を展開したのである。本講演では19世紀に花開いた新しい空間概念がどのように20世紀の幾何学、すなわち空間の中の点が互いにどのようにつながっているかを調べる接続の理論に発展しうるかを、その基礎をなす部分から解説していく。具体的には多様体という新しい空間の上に次々と幾何学的な概念が作られていく過程を丁寧に解説し、聴講者の空間概念を(あざ笑うかのように)一新することを目的とし、機会があれば新しい幾何学のアイデアがどのように物理学に応用されるかも説明する。尚、講演者の無理解によって空間概念を一新するべくもないこもある。
アクセス
◇JR京浜東北線北浦和駅(西口)
→バス「埼玉大学」行
◇JR埼京線南与野駅
→バス北入口「埼玉大学」行
西口「埼玉大学」行