数物セミナー 夏の談話会2013 in 慶応 概要

今回、慶應大学にて数物セミナー談話会を開催します!学部生による数学・物理の講演を予定し、講演者や参加者を交えての懇談の場を設け、異分野・他大学の学生との交流の機会としていきます。これから専門を深めていく学部1・2年生や、すでに学部を卒業された院生や社会人の方々の参加も大いに歓迎します。

日にち・場所

2013年8月10日(土) 
慶應義塾大学日吉キャンパス第6校舎3階J631教室

タイムテーブル

10:50~11:50 『灼熱の熱力学史』
花里太郎 (慶應義塾大学理工学部物理学科3年)
  昼食(各自で用意をお願いします)
12:50~13:50 『曲面上のMORSE理論入門』
山室考之 (東京理科大学理学部第一数学科3年)
14:00~15:00 『共変微分と物理のおはなし』
福田朝陽 (慶應義塾大学理工学部物理学科3年)
15:10~17:30 ポスターセッション・交流

講演アブストラクト

灼熱の熱力学史

花里太郎 (慶應義塾大学理工学部物理学科3年)

暑い日本の夏。気温35度超え、連日の熱帯夜、もううんざり・・・。そんな夏真っ盛りに、熱い熱い熱学史はいかがでしょうか?
熱学は、ロマンチックでスリルにあふれた歴史を持ち、多くの物理学者が携わって完成されました。
カロリーゼロが叫ばれる現代・・・ところでカロリック説とは?
熱力学の基本法則はどのようにして考えられたのか?
エントロピーとはなにか?なぜそのようなことを思いついたのか?
このようなことに触れつつ、熱学の発展史をおおまかに眺めることで、高校物理から「なんだかよくわからない(けどとける)」の代表格である熱学に、見通しと親しみを持ってもらえるよう 、話していきたいと思います。

曲面上のMORSE理論入門

山室考之 (東京理科大学理学部第一数学科3年)

多様体とは局所的にEuclid空間と同じ構造をもつ図形のことであるが、Morse関数という関数を用いて多様体に「高さ」を定め、多様体の位相幾何学的な「かたち」を得ようというのがMorse理論である。ここでは非常にとっつきやすい曲面上におけるMorse理論を主に扱う。例えば球を下から見ていくと南極で上向きなお椀のようなものが現れ、北極で下向きなお椀のようなものが現れる。 一般的な閉曲面はこのような「上向きなお椀」「下向きなお椀」さらにもう一つ「山の尾根」のような形(それぞれ順に2-ハンドル、0ハンドル、1ハンドルという)の和集合として表現できる。このように閉曲面上のMorse関数が一つの非退化な臨界値を通過するごとにその指数に応じてハンドルが接着されるさまを多くの図を用いることによって視覚的に楽しく理解してもらうのが目的である。尚、必要な数学用語は発表中に説明するので前提知識は不要である。

共変微分と物理のおはなし

福田朝陽 (慶應義塾大学理工学部物理学科3年)

重力はものの本によると「時空のゆがみ」によっておこるらしい…。意味不明ですが、とりあえず曲面上で数学を取り扱う手法が必要らしいですね。
ただ曲面と言えば、実際のところほとんど古典力学でも扱ったことないですよね?それも実は今回の話に関係があります。
そのような曲面上の微分に「共変微分」というものがあります。一般相対論を勉強する際に必要になることで有名ですが、実は古典力学を考えているときにも出てくるなど、意外と身近な存在です。講演ではそんな共変微分という新しい微分を一年生にもわかるように(物理サイドから)説明します(数学系の人ごめんなさい)。その後物理でどのように使われているか覘いてみましょう とくに前提知識は仮定しない予定です。必要なものはその場で定義しますので気楽に聞いてください。

アクセス

◇東急東横線、東急目黒線、横浜市営地下鉄グリーンライン 日吉駅下車徒歩5分

ポスター

慶應談話会ポスター